子どもを育てる上で、親の愛情やサポートは欠かせません。でも、育児のスタイルは家庭ごとに異なりますよね。その中でも「放任主義」という育児スタイルをとる親もいます。放任主義とは、子どもに対して過度に干渉せず、自由にさせるスタイルです。一方で、精神疾患を持つ親は、時には放任であったり、過保護、過干渉になってみたりで、子どもに与える影響はとても複雑になります。今日はこの2つの視点から、子どもへの影響について考えてみたいと思います。
放任主義の育児:子どもにどう影響する?
放任主義の親は、子どもの行動や感情にあまり干渉しないことが特徴です。「自分でやりなさい」と言って、子どもが何かをする際に指導やサポートをあまりしない場合があります。これは一見、子どもに自由を与えているように思えるかもしれません。しかし、子どもが困ったときや悩んだとき、子ども自身が親からの支えがないと感じることがあります。
例えば、学校で問題が起きたり、友達との関係で悩んだりしても、親がそれに気づかなかったり、気にかけなかったりすることがあるかもしれません。こうした環境で育った子どもは、困ったときに誰にも相談できず、孤独を感じやすくなることがあります。また、親からのサポートが不足していると、自己肯定感が育ちにくくなるため、他人の評価に過度に依存したり、自己評価が低くなったりすることもあります。
精神疾患を持つ親が与える影響
一方で、親が精神疾患を抱えている場合、子どもに与える影響も少し違ってきます。例えば、うつ病や不安障害などを持つ親は、感情が不安定であったり、エネルギーが不足していたりすることがよくあります。こうした親は、子どもに十分に関心を持ってあげることが難しいことがあります。親がしんどい状態にあると、子どもは愛情を感じにくくなるかもしれませんし、親が無気力であることが子どもに不安を与えることがあります。また、親が感情的に時には暴力的になる事もあるのかもしれません。また逆に、子どもの基本的なお世話を放置し、ネグレクトになってしまう事も考えられます。
親が感情的に不安定だと、子どもは親の反応を予測するのが難しくなります。親の気分が急に変わったり、何をしても反応が薄かったりすると、子どもはどう接していいのか分からず、心が落ち着かなくなります。このような環境で育つと、子どもは感情のコントロールが難しくなることがあり、対人関係においても困難を感じることがあります。
放任主義と精神疾患、それぞれの影響をどう受け止める?
放任主義的な育児や、精神疾患を抱える親の影響を受けた子どもは、それぞれ異なる影響を受けます。しかし、どちらにしても「安心感」を持ちにくくなることが共通しています。子どもにとって、安心して心を開ける場所があることは、とても大切です。もしその場所が不足していると、心の中で不安を抱え続けることになりがちです。
それでも、こうした影響を受けたからと言って、決して一生そのままでいる必要はありません。子どもは成長の中で、自分の感情を理解し、他者との関わりを学んでいくものです。自分を大切にし、感情を上手に表現する方法を身につけることができれば、過去の影響を乗り越えることができるのです。
どうすればいい?大切なのは「気づき」と「支え」
もし自分の育ち方に不安を感じることがあったり、過去の影響に気づいたりしたとき、まず大切なのは「気づき」です。自分がどう感じているのか、どんな影響を受けてきたのかを認識することが、心の回復への第一歩です。その上で、自分をサポートしてくれる人や、心が落ち着ける場所を見つけることが重要です。
放任主義の育児スタイルや、精神疾患を持つ親の影響を受けたからと言って、それが全てにおいて悪いわけではありません。大切なのは、今からでも自分をケアし、心を大切にすることです。誰かに話を聞いてもらったり、自分が好きなことに時間を使ったりすることで、少しずつでも心のバランスを取り戻していくことができるはずです。
子どもの頃の影響は、確かに大きいですが、そこからどんな大人になっていくかは、今の自分の選択と気づき次第です。大丈夫、焦らずに自分を大切にしていきましょう。